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雪国対策を考えた住まいづくり

除雪にくたびれても~雪の話題もいやになっていますが、今回の大雪による被害などを基に家を建てるさい、少し考えてみませんか?

出来る事なら除雪作業の要らない家がいいのですがなかなかそうはいきません。

雪を自然に落としてしまう落雪タイプだと落ちた雪を除雪するのはかなり大変です。さわらなくてもすむようにするには出入り等に支障のない場所に落雪させ、そのまま置いておく広い場所が必要になります。また、落雪した雪が屋根につかえないような高さが必要になります。それらを考えると建物の形は蔵みたいになります。

それではそのまま載せて置くという克雪タイプではどうでしょうか。この方法ですと広い敷地はいりませんが、構造をかなりしっかりしたものにする必要があります。しかし、構造的には問題なくても屋根を支える梁などがたわんで内装材などに支障が出たり、そして怖いのは大量に雪が載っている時に大きな地震がきたら・・・。

その他、屋根に融雪装置を付ける?高額の設置費用は上手くすれば市町村の補助金で自己負担が少なく済む場合がありますが、なかなか難しい(枠が少ない?)のが現状です。仮に設置しても降り始めから運転しないと効果は少なく、ランニングコストが決して安くないのでついつい始動をためらい「運転の時期を逃してしまった」との話を多々聞きます。

 

どれも一般的には・・・。しかしここまでしなくても少しの対策でかなり効果が上がる方法があります。

まずは、被害の状況を見てみると雨樋(軒樋)が壊れた、屋根の軒(外壁から出ている部分)が折れた、落雪した雪で窓ガラスが割れた。そしてエコキュートやエアコンが雪に埋もれて運転しなくなった等が多かったのではないでしょうか。

これらの事は最初の計画をしっかり考えていれば防げます。

少し金額が高くなることばかりですが、雨樋(軒樋)は受がねを少し細かく入れる(奥越では雪が降るのが当たり前なので福井市内より細かく入っています・お金をけちらなければ!ですが)。

 

軒の出の屋根垂木は通常の倍、細かく入れる

屋根の軒が折れるのを防ぐにはる軒先から両手を広げた巾位の雪を下せば大丈夫ですがそれがなかなか出来ない。それでこの部分の屋根垂木を細かく入れる。通常屋根垂木は30㌢間隔ぐらいで入っていますがその半分の間隔で入れればかなり強くなります(ブログ:雪国対策 垂木を細かく入れる)。過信は出来ませんが私はこの方法をお勧めしています。そしてこの軒先回りの雪を落とすスペースを確保しておく。これらのスペースが確保できないのであればお隣に雪が落ちるような屋根の形にはしないこと!あとあとのお付合いが・・・。


 

窓ガラスの対策としては雪がその場所に雪が落ちてこないような屋根の形にするのがいいのですが・・・。雪が落ちてくる所には雪囲いをするか、こまめに除雪するしかないですね。

そしてエコキュートやエアコン等の室外機、これらは雪が落ちてこない所に設置する。もし出来ないのであれば屋根の出を大きくして落ちた雪が直接あたらないように、また、架台に載せて高い位置に設置する(ブロック等ではだめですよ!)等の対策が必要です。

そして今回もかなり被害が出たアルミのカーポート。福井市内でも積雪1.5メータータイプを選ばれたほうがいいです。しかし1.5メーターというのはあくまでも新雪時であって、時間がたち、しまった雪や雨が含んだ雪は倍ぐらいの重さになりますのでやはり早め早めに下してください。でないと、「く、くるまの上に屋根がのっかている~!」と、被害とショックが大きいですから。

 

少しの事で大きな被害が防げます!

 

でも・・・みなさん夏までに忘れてしまうのでは・・・?