夏の事を考えれば、勝山市の恐竜博物館みたいに銀色に輝く外装にすれば、かなり効果が期待できると思いますが住宅ではなかなか無理ですよね~。さて、真面目に・・・。
まず、何といっても断熱、断熱材をしっかり入れる事。特に屋根面は一番日射を受けるので外壁よりも厳重にする必要があります。それに断熱は夏だけでなく冬にも当然効果がありますから。
そして本題の夏対策ですが、しっかり入れた断熱材に外部からの熱がこもらないような工夫をしています。なぜなら断熱材に熱が蓄えられると夜等、気温が下がった時にその熱を放出するからです。
この写真は小屋裏の状態です。下には断熱材、そして本来なら上の所は垂木や母屋等の小屋組みが見えるはずなのですが、ボードが貼ってあり見えません。このボードは、屋根裏用の遮熱材で片面にアルミが蒸着してあり、その面を外に向けて垂木に貼、遮熱効果と通気層をつくります。垂木に貼ったボードは屋根の勾配と同じ斜めですが一番高い棟まわりは両脇の母屋の高さで水平に貼っています。これは空気が横にも移動しやすくするためです。
外壁の透湿・防水シートは当然 遮熱タイプを使いその外側に外壁の下地を兼ね、通気層を確保する外胴縁を打ちます。遮熱タイプの透湿・防水紙の話は以前取り上げたのでそちらをご覧ください。この時、通気層が小屋裏につながるよう下地をして、暖まった空気を小屋裏に入れます。
軒裏の先端、軒先のこげ茶色の物は軒先換気材です。基本的には外周全て回します。屋根面や外壁面で暖まった空気が上っていきこの軒先換気部分から外部の空気を引張りこみます。そして小屋裏の中に入ると、先ほどの遮熱ボードで囲まれた垂木間が通気層となり棟下まで上った空気は棟と両脇の母屋で囲まれた三角柱の空間で横にも動き棟換気はもちろん、妻側にある換気材からも外部に出ていきます。
写真の中と右は棟換気で、板金屋根の棟換気は見えてきますが瓦屋根の棟換気は棟瓦の下に入って見えなくなります。
まとめ
屋根材や外壁材の内側に通気層を設けて熱を早々に排出します。さらにその通気層の内側に遮熱材を使い放射による熱を反射して中に入れないようにします。これらの仕組みで外からの熱をなるべく入れないようにして最後に断熱材で止めます。断熱材までの工夫が特に夏の対策に有効です。
見えない所ですがなかなかのものでしょ。