先日の床の塗装の話は、体系を大雑把に流し過ぎたのでもう少し詳しく解説します。
成分で大きく分けると化学系塗料と自然・エコ塗料があります。
一般的によく使われている物は、化学系塗料で、石油等から作られる合成樹脂を主成分にした塗料です。これらは、昔から使われている自然塗料に比べて耐久性や仕上がりの性能、作業性、乾燥性が高くまた、価格も安いので広く普及しています。
代表的な物はウレタン塗装やセラミック等を交ぜ込んで強度を高めたセラミック塗装、また、ウレタン系塗料を紫外線に反応させて強度を高めたUV塗装などがあります。基本的にはその優れた性質で表面に膜を作りコーティングするという物です。性能面では、耐汚染、耐水、メンテナンス等、ほぼ全てにおいて自然塗料を上回っています。しかし近年、人や環境に悪影響を及ぼす事などマイナス面が指摘されるようになってきました。
それに対して自然塗料は、漆やクルミ、荏油(えあぶら)や柿渋等、自然の物を塗料として昔からに使われてきた物です。そして、エコ塗料と呼ばれる物、塗料のあらゆる段階で生態系に負荷を与えない物がドイツから入ってきました。シックハウス症候群、化学物質過敏症等、それらの問題や環境に対する意識の変化のため、徐々に広がってきています。今では国内の物も出回っています。
エコ塗料には、荏油等の植物油を主成分にして木にしみ込ませて仕上げる「オイル」系、天然の樹脂を主成分にして木に膜を作る「油ワニス」系や「セラックワニス」系、そして保護用として蜜ロウ等を主成分にした「ワックス」系や「オイルワックス」系等があります。
ただし、あくまでも人や環境に優しいですが、化学系塗料より機能・性能面で劣っている事をお忘れなく。
最後にエコ塗料を自分で塗るという方に。
自然素材で出来ているといっても中の成分によってはアレルギーの反応を出す物もあるので、注意が必要です。
ナラ等木目を際立たせようと着色塗装をお考えの方、床を貼る前に必ず塗装してください。木は必ず伸びたり縮んだりして隙間ができたりします。その時、付合わせた木口まで見えてきますから・・・、できれば木を安定させるため全面に塗装をかけた方がいいです。塗装材の選定には必ずサンプル等で塗りやすさや香り等の確認をしてください。材料の選定後は、塗装前に必ず試塗りをして仕上がりを確認してください。塗装後は乾くまでの時間を十分みてください。化学系の物に比べると時間がかかります。そして、必ずオイル等を拭取った布を処分してください。そのままでは自然に発火する恐れがあります。
特に最後の自然発火には気をつけて楽しく?施工して下さい。