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割れにくい壁の作り方 2

柱と間柱の状態
下地材を留めた状態

左と右の写真の違い何だか分かりますか?。写した角度と、時期が違いますが、同じ位置を撮影しています。

何が違うのかというと、右の写真には、横に細い桟が入っていますよね。この横に入っている桟は、胴縁(ドウブチ)といって、杉のKD材(人工乾燥材)で厚み15㍉×巾45㍉の物です。

この胴縁を下地にして石膏ボードをビスで留めています。胴縁のピッチ(間隔)も一般的な寸法(303㍉=1尺)より小さく227.5㍉(7寸5分)ピッチで、柱や間柱にそれぞれ45㍉の釘2本ずつ打って留めてます。胴縁を細かく入れればそれだけ石膏ボードがしっかり固定でき、また、肝心のボードの縦のジョイントは下地の間隔が狭いのでバタツキが減ります。また、胴縁はKD材といえども木は動きますので、釘を2本打つことで、ねじれ等の動きを止める事ができます。そして、この状態でしばらく置いて、胴縁を現場の湿度等になじませてからボードを貼ります。すぐには貼りません。この様にして少しでも割れにくい壁を作っています。

 

最近、他社の現場で、胴縁のない左の写真の状態で石膏ボードを貼っていのをよく目にします。

元々、柱や間柱は、今みたいに寸法がきっちとそろっていませんでした。乾燥もしていませんでした。その寸法の誤差や乾燥からくるくるいの調整も含めて胴縁が使われていました。それらが改善され、柱や間柱の寸法の精度も良く、さらに、集成材にする事で狂いがない(無垢材ほどではないのですが、実際はあります)ということで、胴縁をはぶく現場が増えています。

確かに胴縁をはぶけば、材料費、それを留める手間賃や釘代、さらに、壁の厚さが減るので窓枠やドア枠等の幅が一サイズ小さくできます。工期も短縮できます。何やらいい事ばかりのようですが、これらは造る側にメリットが・・・。

台風や地震等で建物がゆれれば直接その振動や力はボードに伝わります。また、木は常に調湿作用である吸放湿を繰り返し、動いています。これらの事を考えれば胴縁をなくす事によって壁は割れやすくなると思うのですが・・・。

 

仕上がりは同じように見えますが、どこまでするか、こだわるかは会社によって違います。当然、工事の方法も違います。金額だけでなく、その辺の事もしっかりと・・・、後々大きく差がでてきますから。