まずは、原木(丸太)を入手する。
河川改修や道路改修等で出てくる物を無料で入手されておられる方もいらっしゃいますが、私は森林組合から購入しています。
注文する時に3つほど希望を伝えています。
まず一つ目、樹種はナラ、クヌギ、ケヤキ、サクラ等の堅い木の広葉樹をお願いしています。ただし、堅木であれば良しという事で特定はしていません。これらの堅木の広葉樹であれば火持ちも良く火力もあり、ススも出にくいからです。ただし、堅いため切りにくく、また、割りにくいので薪にするには大変です。
針葉樹も使います。ヤニけの多い松は論外ですが、杉やヒノキは切りやすく、また、割りやすいので細かく割って使います。ただし、特によく乾燥させます。そうすればススの出る量も少なくて済み、すぐ火が付き火力も上がりやすいので焚き付けによく使います。私の場合、雪などで倒木した杉等が無料で手に入るため針葉樹は注文していません。
二つ目は、なるべく直径を40cmぐらいまでの物でお願いしています。それは私の使っているチェンソーのガイドバーの長さが40cmだからです。何方向から切っていけばもっと太い物も切れますが、割る時の事を考えたら一回で切った物の方が割りやすいからです。ただし、伐採したタイミングにもよりますが、40cmオーバーの物もそれなりに入っています。
三つ目は、昨日お話した通りなるべく暖かくならない時期に伐採した物をお願いしています。
以上3点の希望は伝えますが、伐採のタイミング等によりなかなか全て希望通りとは・・・。
丸太が届いたとなると次は玉切り(長さを決めてカットする)です。
当然それには木を切る道具、チェンソーが必要です。
最近はチェンソー等もホームセンターや、ネットで安く購入する事が出来るようになりました。ただし、私はこれらの購入の仕方は賛成できません。単に物を購入するなら安い方がいいでしょう。しかし、これらの道具は必ずメンテナンスが必要になります。チェンソーならばまず目立てが必要ですし、エンジンの調整も必要になってきます。その時、それら安売りをしている所で早々に対応してもらえますか?何日も待たされては・・・。
これらの道具は、物だけでなくメンテナンスを含めてという考えで購入した方が良いと思います。使用頻度にもよりますが、普通に薪づくりに使うのであれば10年以上は使う事になりますので、しっかりした物を、ちゃんとすぐにメンテナンスしてもらえる所で購入された方が結局は安くすむと思います。
ちょっと脇道に。左が私の物で2サイクルエンジン、右がショップに展示中のバッテリータイプの物。
チェンソー等、主に2サイクルエンジンを動力としている物、今、時代が変わりつつあるようです。機械屋さんの話によると、ヨーロッパ、特にドイツでは街路樹整備等の公共工事では排気ガスと騒音の規制が厳しく、バッテリータイプのチェンソーに切り替わっているそうです。さすが環境対策に厳しい国です。住宅の断熱に対する基準等を見ても日本は遅れています。いずれ、日本でもバッテリータイプの物が主流になっていくと思います。環境的な事だけでなくメンテナンスが楽ですから。
個人的にはもう少しバッテリーの性能が良くなれば(充電時間や使用時間、それに重量)買いだと思っています。ガツンともっとレベルの高い所で規制がかかればメイドインジャパンですぐれたいい物が出てくると思いますが・・・。
さて、玉切りの話に戻します。
薪ストーブに入る薪の長さは?、ストーブによって違うので注意してください。私はだいたい40cmぐらいに切りそろえています。長さをそろえるのは薪を積みやすいからです。
左の写真は、そのための定規、工具、チェンソー、替えのソーチェン、チェーンオイル、燃料(混合油)。後はきちっと作業が出来る服装。
チェンソーは便利な道具ですが非常に危険を伴う作業になります。一瞬の気のゆるみやちょっとした横着で大けがをしますから十分注意とゆとりをもって作業をしてください。
まずは、空フカシをしてソーチェンにオイルを行き届かせます。真ん中の写真のようにオイルの筋ができたらOKです。
次に右の写真のように定規を当てて、丸太に刻みを入れていきます。この時、刃先で刻みを入れないように。根元で入れて下さい。刃先だとはねて自分の方に飛びついてくることがあります。
準備完了、後は切るだけ。薪を割る時、真っすぐ立てることを想定して長手方向に対して直角に、断面は垂直に落としていきます。ソーチェンが切れている時は、チェーンソーの重さだけでスーと落ちていきます。おが屑が細かくなったり、重さだけで落ちていかない場合は、切れなくなっているのでソーチェンの目立てをするか、それでもだめなら取替えるかです。私は常にソーチェンを3本用意しています。ケヤキ等は本当に早く切やんでしまうからです。
燃料切れが休憩の合図。この時オイルの補充を忘れずに。
私は、休憩中に給油とオイルの補充、さらに時々、内部の木屑詰まりの掃除をしています。これをおろそかにするとオイルの出が悪くなるからです。
チェンソー作業は慌てずゆっくりと、今日はここまでと目標をたてたりしません。できた分だけで良しとしています。
だって「チェンソーにかみつかれたらただじゃすまない!」ですから。
薪割りについては次回に。