先日の「かんり」の工事の状況を確認していく監理業務は必要か?という話です。
現在、新築の場合はほぼ瑕疵担保保険の検査を受けているので特に必要ないとおっしゃる方がいます。ただし、この検査もその会社の進め方や検査員によって?ところがあります。
ある?な保証会社の検査の実話です。
その会社は、まず現場管理者(現場監督)に工事のチェックリストを提出させ、それを基に検査員が検査をするという方法です。
二重チェックになっているからいいじゃない。ところが、検査員さんが現場に来られ、車のドアが開いて閉まるまでほんの〇分、チェックリストと現場を外から見て「はい、OKです」と、さっさと帰っていかれました。なにがOKなのかわかりません。私にはその方が一目で配置から配筋までチェックできる能力をお持ちとはとても思えませんでした。あまりにも・・・なのでその?な保証会社さんとはその一軒だけで後はお付合いはしていません。
全ての方がそうではありませんが、やはり、 検査員さんまかせではダメです。
いつものやり方で、いつもの業者さんで・・・、これでも間違いは起こります。
二つほど実際にあった他社の例をお話します。

コンクリート打設が延期になったと基礎屋さんのぼやき。それもただ延期ではなく、鉄筋をばらして地業(表面の土を鋤取り砕石で埋めて突き固める作業)からやり直しになったそうです。
「高さが変わったの?」「いえ、配置が計画よりも敷地境界から10cm近いため全てやり直し。まだ、コンクリートを打つ前でよかった」「でも基礎屋さん、図面は見てなかったの?」「はい、しっかり見ていました。基礎伏図は。しかし、配置図なんか見ませんし、もらってもいませんから!。それに丁張がありますから」と。
丁張をした時、基準になる隣地境界線からの距離を出す時、より正確な寸法を測るためスケールの0からスタートでなく10cmからスタートする監督さんがいます。特にゼネコン(建設会社)に多い。で、10cmたすのを忘れて・・・。

私が担当していた物件のすぐ目の前の他社の現場での話です。
今日は、ポンプ車にミキサー車が待機している。瑕疵担保保険の配筋検査を受けている?ので、この後コンクリート打ちですか。
何やらみんな中に入ってかがんで・・・鉄筋を持ち上げスペーサーを転がしている。どうやらスペーサーの使い方を間違えたような、鉄筋を組んだ職人さん?コンクリートのかぶり厚をご存じなかったような。
鉄筋の欠点は錆びて弱くなり膨らんでコンクリートを割る事。そのためアルカリ性であるコンクリートに包んで錆びにくくする必要があります。それぞれの場所で包む寸法(かぶり厚)が決まっています。土に接する基礎等は6cm以上と決まっています。そのためスペーサーで鉄筋を浮かしてコンクリートを打ち、かぶり厚さを確保します。
ところが、このスペーサー、6cmの立方体なら問題ないのですが、いろいろな所に使えるような4cm×5cm×6cmの直方体タイプの物がよく使われています。それで、かぶり厚さが確保できるように6cmをたてて・・・。
この話にはまだ続きが。現場監督さん途中で気がつかなかったの?気がつくも何も丁張の指示(監督は丁張はしていない)以降、初めてそれも検査のために現場に来たそうな。さらにこの監督さん、かぶり厚さ?6cm?何ですかそれ?いままで言われたことが・・・と(彼、有資格者だそうです)。さすがローコストビルダーさん、一人の現場監督さんにたくさん現場を・・・。検査員さんもそれを聞いてもう一度見直しされたそうです。まだ、最初の〇分で帰られた検査員さんでなくてよかったですが、私が家を建てるのならいくら安くても・・・。でもご存じないでしょう、こんな現場の話は。
まだまだいろいろな話があります。
勘違いや単純なミス、それに知識不足。私も含めて確かに現場ではそうした問題が起こります。人間ですから。
そういった間違いを起こさないように、また、見つけて直すためには、まずは監理者が、そしてその他の人の目で(瑕疵保証の検査員さん等)で確認していけばいいのです。
監理は必要です。
現在、私は進行中の監理物件の工程に合わせて、施工のチェックシートを修正中です。
笑えない工事を無くすために。