稲刈りからお米になるまで、その1

刈り取った籾を乾燥中

稲刈りすればすぐにお米として店頭に並ぶように思われている消費者の方々が最近増えていると思います。

しかしそんなことはないです。あまり目にすることのないので御存じないでしょうが、お米になるにはまだいくつかの工程があります。

その一つが乾燥です。刈り取られた籾は乾燥機に入れて乾燥させます。

近所の多くの農家の方々はJAのカントリーに刈り取った籾を持っていきますが、我が家では全て自前で乾燥・籾摺りをします。

 

ちょっと年代物ですがこれが我が家の乾燥機です。

10時ぐらいにはじめて17時ぐらいまでかかって刈り取られた籾をその夕方から翌朝にかけて乾燥させます。乾いていても20数%、多いと30%を超えている籾を16~17%まで乾燥させます。それから半日(6時間)以上寝かせた後、14.5%前後に仕上がるように1~2回仕上げ乾燥させます。

ここでなぜ寝かせるか?、それは午前中刈り取られた籾と夕方刈り取られた籾では水分量が違うので1回目の乾燥では籾の水分量にバラツキが出て、1%以上違うことがります。水分は高いところから低いところへ(住宅の性能の話と同じ)移動します。なるべくバラツキのない水分量にするために寝かせます。だいたい籾の水分量を均一にしてから仕上げ乾燥をします。

ただし、乾燥機のセンサーは正確ではありません。そのため水分を正確に測るため専用の水分計を使います。

これが米麦用の水分計です。乾燥機で乾燥された籾の水分を測定します。毎春に調整に出して、今年も2019年版の丸いシールの検定証が貼られてきました。

乾燥機のセンサーと、この水分計には当然誤差が発生します。その誤差を考慮して乾燥機の水分設定をして乾燥させます。この操作が難しい。乾燥が足りないのならもう少し乾燥させればよいのですが、乾燥しすぎると・・・。毎回仕上げ乾燥は悩ましい作業です。

我が家ではこのように刈り取り日から翌日にかけてある程度まで乾燥させ、半日以上寝かせて仕上げ乾燥をします。刈取り・乾燥は2日がかりの作業になります。

これは米作りに限ったことではなく住宅造りでもそうですが、いいものを作ろうとすると時間と手間がかかります。

この後籾摺り作業になりますが、なぜこのような手間のかかることをするか?その辺のことについても次回に。