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立平葺の難点、今までの常識では・・・

屋根がらみ・立平葺のお話をもう一つ。

 

昨年の冬は大雪でしたが、「○○年に一度の・・・」というフレーズはもう毎年どこかで起きている自然災害に使われています。

極端な天候になり、いつまたその災害に見舞われるか、ひょっとしたらこの冬も大雪になるかもしれません。今までの「ここは雪が少ないところだから」という常識は改める必要があります。

 

もう一つ、立平葺は瓦と違って屋根が軽くできるので・・・、だから屋根の垂木も瓦の場合ほど太くなくてもいいし、軒の出も大きく出せる。

これが今まで?の常識でした。いまだにそう思っている設計者も多いですが。

 

細い垂木で軒を大きく出して、そこに大雪が降れば・・・、当然垂木が折れますよね。

去年の大雪の時、あちこちで屋根垂木が折れる被害が出ていました。

その後の屋根の直しで立平葺という工法は結構大変なものだと認識された方が多いと思います。なぜなら瓦の場合は、折れた垂木を仕替える部分の瓦をめくれば済みますが、立平は・・・、基本的に全てめくることになります。

だから、ここは雪が少ないからとか、屋根が軽いから・・・という今までの常識で家を建てると大変なことになります。

軒先部分は屋根垂木を細かくいれる

この写真は今年坂井市で建築した物件で、屋根は立平葺でした。

屋根垂木は、軒の出の部分を細かく入れてあります。

先日お話しした333㍉の半分の間隔で垂木が入っています。

大工さん達は、垂木が細かく入っているので不思議がっていましたが、常識が変わってきたことを話すと納得してもらいました。

 

余談ですが、金属板葺き・雪止めなしで屋根勾配が3寸(水平に10行って垂直に3上がり)あれば雪はずって落ちます。ただし勢いよくずらないので雪が切れなく軒裏近くまで巻き込みます。かなりの重量になります。